Three.js r79で何が変わったのか
2016/07/15
はじめに
Three.jsのMonthly Releaseに翻弄されている皆さんこんにちは。
カブクの落ち穂拾い担当のあんどうです。
いま若干個人的な理由でThree.jsのバージョンアップに敏感になってるんですが、よりにもよって先月か先々月あたりからThree.jsのリリースが月次になったらしく。まぁ嘆いてもしかたがないので、どうせなら何が変わったのかまとめてみることにしました。たぶん、リリースされる度にまとめます。
要点
まずr79の要点を。
大きな変更はありません。バグフィックスとちょっとしたメソッドの追加がほとんどです。
コードの変更点
ということで以下、r79のリリースノートの要約です。
- THREE.BufferGeometry
- r72から動作しなくなっていたGeometry#elementsNeedUpdateが動作するようになりました。elementsNeedUpdateはドキュメントによるとfacesのindex配列が更新されたときにtrueに設定する必要があるようです。実際にはBufferedGeometryの__directGeometryが更新されている時に、このフラグをtrueにするとその変更が反映されます。DirectGeometryはBufferedGeometryが保持しているGPUに転送されているデータのキャッシュみたいな扱いですかね?識者の解説希望。(#8338)
- THREE.Color
- Color#sub()で色から色を引き算できるようになりました。具体的な処理としてはRGBの各要素を個別に引き算します。(#9134)
- THREE.GridHelper
- 不具合があったためGridHelperのコンストラクタ引数が変更されました。第二引数が線間距離ではなく分割数になったようです。(#9193)
- THREE.ImageLoader
- 画像読み込みの際のLoadingManager絡みの不具合が修正されました。(#9176)
- THREE.InterleavedBufferAttribute
- InterleavedBufferAttributeにnormalizedというプロパティが追加されました。属性値が浮動小数の場合に正規化するかどうかを指定するフラグ?識者の解説希望。(#9190)
- THREE.Light
- Lightのデフォルトの位置がObject3D.DefaultUpになりました。元々はy-up前提でVector3(0, 1, 0)でしたが、今回の変更でz-upでも違和感のない位置になったようです。(#9306)
- THREE.Path
- Path絡みでいろいろリファクタリングされたようです。細々と多いので興味ある人は自分で見てみてください。refactorということなので外部インターフェースは変更ないことを期待したいですが、そこはそれthree.jsなので・・・。(#9079、#9169、#9168、#9265、#9291)
- THREE.TextureLoader
- JPEGの場合、アルファチャンネルが不要なので自動的にテクスチャのフォーマットとして(RGBAではなく)RGBを採用してメモリ使用量を節約します。(#9203)
- THREE.Vector2
- Vector2にマンハッタン距離を計算するdistanceToManhattanメソッドが追加されました。マンハッタン距離についてはコードを見るのが一番早いと思います。(#9206)
Math.abs( this.x – v.x ) + Math.abs( this.y – v.y ) - THREE.Vector3
- Vector3にマンハッタン距離を計算するdistanceToManhattanメソッドが追加されました。(#9206)
- THREE.WebGLRenderer
-
- レンダリング時にマテリアルの切り替えが少なくなるよう事前にソートしますが、その際にこれまではマテリアル間のシェーダーの共有状況を考慮していませんでした。これを考慮するように修正することで結構な高速化が図られたようです。(#9164)
- morphAttributesが設定されたBufferGeometryの影に関係する不具合が修正されたようです。(#9184)
- r78で追加されたMeshPhysicalMaterial#clearCoatの実装が改善された・・・んですかね?要識者(#9238)
- SpriteMaterialのvisibleプロパティが無効になっていたのが修正されたようです。(#9257)
- Scene.backgroundにCubeTextureを設定している時にclippingPlaneを設定すると表示がおかしくなる不具合を修正したようです。(#9235)
- モバイルデバイス等で不具合が起きないよう、WebGLShadowMapのmapSizeが大きすぎる場合にmaxTextureSizeまで縮小されるようになったようです。(#9289)
- Blender Exporter
- なんか更新されました。(#9272、#9328)
- Three.js Editor
- WebVRがサポートされました。
追加されたExamples
物理エンジンを使用したExamplesがいろいろ追加されています。
- webgl_physics_terrain
- 物理エンジンであるammo.jsを使った凹凸のある地面のシミュレーションです。
- webgl_physics_rope
- ammo.jsを使ったロープのシミュレーションです。
- webgl_physics_cloth
- ammo.jsを使った布のシミュレーションです。
- webgl_physics_volume
- ammo.jsを使った柔体のシミュレーションです。一年半くらい前に少し似たのを作った気がしてるのでpullreqしなかったことが悔やまれます。
- webgl_postprocessing_backgrounds
- TexturePassやCubeTexturePassを使用して背景を描画するサンプルかな
- webgl_buffergeometry_points_interleaved
- THREE.InterleavedBufferやらTHREE.InterleavedBufferAttributeやらを使ってある頂点に関する型の異なる複数の属性をまとめて指定するサンプルのような気がします。識者の解説を希望
ではまた来月。
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