カブクのエンジニアインターンとして3ヶ月でやった事 〜高橋知成の場合〜
こんにちは、エンジニアインターンの高橋知成です。
「カブクのエンジニアって何やっているのか分かりにくいね」と言われ続け、自分たちのことを知ってもらうために始めたらしいこのブログ。
「それじゃ、いったいぜんたいエンジニアインターンってなにしてるの?」と思われた層と、僕と同じくインターンをしている人達にむけて、カブクエンジニアインターンの活動紹介を兼ね、3ヶ月の振り返りをしていきます!
僕は
教育学部に所属し地理を専攻としている学部3年の大学生です。
週に2~3日の頻度でエンジニアインターンとしてカブクに来ています。
インターンプログラム
カブクでのインターンは必ずメンターの方が1人付き、そのもとで活動をします。
エンジニアのインターンだと、メンターの方が同じプロジェクトにジョインし、サポートであったりコードレビューなどをしてくれます。
そのメンターの方宛にDailyReport(日報ともいう)を書くことがインターンの必須のタスクになっています。
その目的は進捗管理などの報告の他に、タスクに取り組んでいる際に生まれた疑問や考えをメンターの方に伝えることを兼ねています。
メンターの方へのコミュニケーションパイプが用意されているので、コードに対してのモヤモヤ(ダイレクトメッセほど緊急じゃないけど。。。)であったりを相談するチャンスがあります。
インターンには3ヶ月単位のプログラムが用意されます。このプログラムは、座学パートと実践パートの2つに分かれており、それぞれに具体的な内容が決められています。
座学パートには課題図書が指定されていて、自分のペースで読み進めていきます。課題図書には、プログラミングに関する本はもちろんのこと、ドキュメンテーションスキル・プレゼンテーションスキル向上目的の本などがあります。
実践パートでは、カブクの実際のプロジェクトに入り、サービスの実装をします。
3ヶ月でやってきたこと
そんなこんなで今年の5月から3ヶ月間、カブクのインターンプログラムをやって来ました。
次に、その振り返りをしたいと思います。
座学
課題図書として指定された書籍をプロジェクトの合間などの時間を使って読み進めてきました。
書籍が1冊完了するとそのアウトプットとして、社内のエンジニアを対象とした勉強会を開き、そこで発表をすることがあります。これもインターンプログラムの一貫で、プレゼンテーション能力の強化が目的です。
これが僕にとっての苦手ポイントでした。
知識としてあっても、それを実践で使う機会が少なかったり理解が浅かったりで上手く表現できず、毎回エンジニアの方からフィードバックがあるのですがもうボコボコです。
プレゼンスキル、もっと頑張らないと。。。
書籍の紹介
それではここで、3ヶ月の間に指定された課題図書をザッと紹介します。
1. 理科系の作文技術
初めての課題図書は「正しい文章を書くための本」でした。
文章を書くことを習ったのは小学校以来ですかね。(そもそも習った記憶が無いです。)この本は大学の研究レポート向けに書かれた本ですが、普段の文章作成にも役立てることができる内容です。
自分の書いたコードは、他の人から読まれ使われることがほとんど。その時に、ドキュメントやコード内のコメントがとても重要になってきます。
あいまいな文章を書いてしまったがゆえに、間違った使い方をされてバグを生み出すなんてことは悲しすぎます。誰が読んでも誤解されない文を書くことがエンジニアの重要なスキルになってきます。
この本には、そのための正しい文章(=相手に正しく伝える文章)を書く技術が紹介されています。
僕はインターンを始める以前は誤字脱字などで指摘されることはありましたが、「この文が変」と指摘された経験ってあまりありませんでした。(おそらくいい感じに読み替えてくれていたんですね。それか意図しない意味で読まれていたかも。)
なので自分が書いた文章にたくさんの課題があることに気がついていませんでした。この本を読んで全然だめだということがわかりました。
正直言うと、今も正しい文章を書くことには苦労をしています。がんばらねば。
次に1週間ほどかけてTypeScriptの本家サイトにあるドキュメントを読んでTypeScriptについて勉強しました。
それまで僕が使っていた言語はJavaScriptでした。なのでTypeScriptやJavaなどの型言語について「変数を定義するときにstringとか『型』を指定するんだよね」くらいしか知りませんでした。
本家サイトのHandbookを読み、同サイトのPlaygroundで実際に書いて試しながら進めました。初めて知ったInterfaceやEnumがなぜ必要なのかピンときていませんでしたが、一通りの使い方をとにかく覚えていきました。
ドキュメントを読み終えた時の率直な感想は、「型言語の文法(変数の定義の仕方・返り値の型の定義の仕方など)はわかった。ただ、型を定義したところでなにが便利なのか、さっぱりわからない。」でした。
まだTypeScriptを使って実践的なコードを書いていないからですね。型定義から得られる恩恵は、実際のプロジェクトでコードを書いていくうちに実感するようになりました。
※この本についてはインターン以前に読んだことがあり今回は飛ばしました。
タイトルの通り、ノンデザイナーに向けたデザインの入門書です。Photoshopなどの特別なツールの解説書ではなく、あらゆるデザインに共通している基本原則「近接・整列・反復・コントラスト」について丁寧に解説してくれています。
エンジニアといっても、
- 仕様書などの文章作成
- 勉強会などでのプレゼンテーション
- UIの実装
などデザインに関わる機会はたくさんあります。
特にプレゼンでは資料のクオリティーが聞いてもらえるかどうかに直接関わってきます。
UIの実装の際にも、基本原則を知っていることが、デザイナーさんとのコミュニケーションの際に必ず役に立ってきます。
この本はページ数が比較的少なく、短時間でデザインの要点を押さえるには適した本だと思います。特別な技術は必要なく、すぐに使えるテクニックが満載ですのでおすすめです。
デザインパターンとは簡単に言うと良いプログラム実装のテクニックを集めたものです。本の中では23パターンそれぞれがじっくりと解説されています。
この本で、クラス設計の仕方や、抽象クラス・インターフェースの効果的な使い方を学ぶ事ができました。
ただ、この本で学んだパターンを実際の問題に対してすぐ使うことはとても難しかったです。
パターンを適用できる問題に出会わないとそもそもパターンを使う事ができなかったり、無理矢理パターンを適用させようとして必要以上に複雑になってしまい失敗したりすることがありました。
そんななかで、Webサービスの申し込みフォームを実装している際に「Observerパターン」を適用できる機会に恵まれました。
ユーザーからの入力やサーバーからのレスポンスをUIに反映する機能を効果的に実装できました。その時に、この本で紹介されているパターンの有効性が実感できました。
逆に言うと、実際にデザインパターンを使ってコードを書く機会がないと自分の中に落としこむことが大変です。なのでこの本の他に、デザインパターンについて解説してあるいくつかのサイトを補助として参考にしながら学習を進めました。
5. 上達の法則
プログラミングスキルの上達にかかわらず、「上達をする」にはどうしたらいいのかが心理学に基づき書かれている本です。
そつなくある程度のレベルまで上達できる人とそうでない人には違いがあり、その違いについて記憶の仕組みなどを絡めて心理学的に解説されています。さらにそれを踏まえて、上達するための具体的な方法が紹介されています。
技術は常に新しいものが生まれていて、それにエンジニアはついていき、さらにその技術を自分のものにしていかなければなりません。「エンジニアスキルを伸ばすスキル」を伸ばすことは重要なことです。
直接的に効果が現れる類のものではないですが、エンジニアにとって重要なスキルを身につけるために指定された本でした。
6. 新しいLinuxの教科書
Linuxのサーバーを構築して云々という本ではなく、「そもそもカーネル・シェルってなに?」から始まって、コマンドラインで使う基本的なコマンドの解説などをしてくれます。
Macのターミナルでは「pwd・cd・ls・vi」くらいしか使ったことがない人(僕です)でも十分に理解できるように丁寧に解説されている本です。「PATHを通せ」といわれてよくわからないままをコピペしていたコマンドの意味が理解でき、1人で感動したりしてました。
その他にもシェルスクリプトの書き方・使い方など、知っていると仕事が捗る内容が盛り沢山です。コマンド1つが1つの章になっているので、知らないコマンドの章から見ていく進め方をしました。
本の中に記載されていることですが、覚えたことが明日役に立たなくなるような分野ではないため、一度時間を使って覚えてしまう価値があります。
ソフトウェアテスト設計の入門書です。設計に加え、具体的なテスト技法についても触れています。
本の中で具体的な事例をもとに効率的なテストの書き方が紹介されています。具体的には、テストするべき所(欠陥が起こりやすい所)や、テストする値の効率的な選び方について解説されています。
ソフトウェアテストを書くことは、インターンプログラムの中に設定されています。その理由は、テストを書くことが他の人のプログラムを読むことになり、それがエンジニアスキルの向上につながるからです。
ソフトウェアのテストを書いた経験がなかった僕にとって、テストとはなんぞやから解説されているこの本は全体観をつかむにはピッタリの本でした。
ただし、具体的なテストツールの使い方については別に学習が必要です。
8. アルゴリズムとデータ構造(第2版) (情報工学レクチャーシリーズ)
3ヶ月のインターンプログラムの最後の1冊がこちら。アルゴリズムの教科書です。
デザインパターンの本と並んでとても読み応えのある一冊でした。実際の情報系学部で教科書として使われている本だそうです。大学では文系の授業ばかりを取っていたので、アルゴリズムに関してはなにも知らない状態でした。
表紙を一見すると「内容が固そうな本だな。。。」という印象でしたが、実際に読んでいくと丁寧に解説がされている本でした。なので、高校数学までしか知らない僕にも読んでいくことが可能な本でした。
内容は比較的理解しやすい「線形探索アルゴリズム」(for文で頭から探していく方法。誰もが最初に思いつくアルゴリズムかも。)から始まり、最終的には最短経路を求めるなどの複雑なアルゴリズムを、ステップを踏みながら解説してくれています。
それぞれのアルゴリズムについて、実際の実装例があるのでそれを自分で書いて試しながら進めました。
実践
座学をやりながら、カブクの実際のプロジェクトにジョインして開発をしました。
主にフロントエンドを僕が、バックエンドをメンターの足立さんが、という役割分担で進めてきました。
どんな物を実装したかというとユーザーが使う注文フォームです。
「3Dプリンターのカブクだから3Dデータとか扱わないの?」と突っ込まれるかもしれませんね。
すいません、まだ僕には荷が重すぎます。ただ、インターンだからといってやれることが限定されるという事はないです。3Dデータをあつかえる経験や技術があればもちろん任せてくれます。(僕にはもう少し先です。)
プログラミング言語はTypeScriptを使いました。JavaScriptではなくTypeScriptが選ばれた理由は僕自身の型言語経験が少なかったためです。
型言語を使った実装を経験し型言語について知ることで、プログラミングを学ぶ手段がかなり増えました。というのも、プログラミングに関する本(デザインパターンの本など)はJavaで書いてあるものが多く、なかなか手を出せないでいました。
変数や関数定義の時に使われる「int a = 1223 」を見た瞬間に「あ、気持ち悪い」となって手を引いていたんですね。
TypeScriptはJavaと記法は異なりますが、やっていることは同じなので推測しながら違和感なくコードを読めるようになりました。
実際のプロジェクトに参加して実装した率直な感想は、「思った通りに進めることができなかったな。」です。座学で得た事を実装に活かしてガリガリコードを書いていく、とは行きませんでした。
知識としては座学で得た「こんな風に設計すればスマートだよね」というパターンは頭のなかにあるのですが、それを実際の問題に適用して使っていくことはとてもハードルが高かったです。
コードを書く度に「なんか『すごい』コード書いてるな。」とモヤモヤしていました。収集がつかずに足立さんから手を入れてもらい救われる事もありました。
主に1回のローンチごとに足立さんからコードレビューがあります。コードレビューは初めての経験でした。コードレビューでは「こういう実装方法もできるね」「こう書いてしまうと後々ー」など毎回たくさんのアドバイスをもらいました。
そのなかで3ヶ月を通して気づいたことがありました。僕が書く実装は本来もっとシンプルに実装できるのに複雑な実装になってしまうことが多かったことです。コードレビューの際に「なぜ気づかなかったんだ。orz」と何回もなりました。自分の考え方に特定のクセがあるのかもしれません。
これを含めコードレビューでは、自分1人で気づくことができない事(慣例に反していること・別の実装方法など)を数多く知ることができました。自分のコードを客観的に見てもらう事ってとても大切だなと今更ながら気づきました。
3ヶ月の振り返りをしてみて
- 座学で知識をインプット
- プロジェクトに参加し、インプットしたものを用いて開発経験をする or 社内勉強会で発表する
- メンターの足立さんに質問をしアドバイスを貰い、自分の知識として定着させる
のサイクルが常に回っていた3ヶ月でした。
座学の知識をすぐに実践で使うことは難しかったですが、そこのモヤモヤであったりを相談しながら開発することができたので、自分で使うことができる知識として蓄積させることができました。
3ヶ月の課題
プレゼンテーション能力の向上がこの3ヶ月での1番の課題です。
プレゼン時間に合わせたトピックの選び方や内容の構成など改善することが多々あります。「ただ本の中身の紹介プレゼン」にならないように、自分の体験であったりオリジナリティーを盛り込んだものにする必要があると、勉強会でのフィードバックをもらった時に痛感しました。
プログラミングに関しては、他の人に見られる事を意識したコードを書けていないことが大きな課題です。
実装に必死になって、その部分に気を配ることがなかなかできませんでした。実装に余裕を持つには多くの経験をつむ必要がありますが、余裕が無いなりに適切なコメントを残すなど、やれる範囲から実行していきます。
これからの3ヶ月
これから3ヶ月のインターンプログラムには、ドキュメンテーション・プレゼンテーション・プログラミングスキルの向上に加え、新たにフレームワークの取得・実践が組み込まれています。
今までフレームワークを使うことなくオレオレ実装で進めてきました。それと比較してメジャーなフレームワークではどのように実装しているのかとても興味があります。
加えて他の人のコードを読む量がとても少ないので、これからの3ヶ月は、インターンプログラムの他にフレームワークであったりライブラリーを読み解いていくことをしていきたいと思います。
最初からAngularJSを読むのはハードルが高そうなので、小さなものから。(ちょっとハードル下げました。)
まとめ
カブクのエンジニアインターンの簡単な紹介をしました。
エンジニアインターンとして過ごした3ヶ月の振り返りをしました。
これからの3ヶ月について何をするのか簡単に紹介しました。
おわりに
それではまた3ヶ月後の振り返りブログでノシ
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